山東省の食ガイドSIGHTSEEING

歴史のある味、どれだけ食べても飽きない濟南料理

山東料理の中心は濟南にあり、昔は「歴史のある味」と称され、山東の西部で流行り、濟南で大きく発展しました。そして、湖北・湖南料理の特色を吸収し、風味と見た目の美しさを兼ね備えた「濟南料理」を形成しました。

濟南料理の特色は、火加減とスープ料理にあり、濃褐色で、濃く、豊かな味を重視しています。食欲をそそり、食べればうまみが口いっぱいに広がり、口当たりがよく、言い表せないほどすばらしいです。濟南の料理人は、火加減のコントロールに長けており、爆(=高温の油でサッと揚げるなどの料理法)、炒める、フライにするなど、様々な調理方法が駆使され、テーブルには、あっさりしたもの、新鮮なもの、サクサクしたもの、軟らかいもの等色々な料理が並びます。

スープ料理は濟南料理の特色で、具の入っていない澄んだスープと牛乳入りスープの2種類に分けることができます。そのうち、「奶湯蒲菜(=蒲の牛乳スープ)」は代表的なものです。大明湖の蒲(ガマ)を料理して作る奶湯蒲菜は、濟南人が最も好きなふるさとの味です。しかし現在は濟南の急速な都市化に伴って美味しい蒲はあまり見かけなくなってしまいました。

中国人なら誰もが知る「九転大腸(=豚モツ炒め)」は、清代の光緒帝の時代に濟南の九華楼という料理店が研究開発したものです。作りが精緻で、豚の大腸をまるで道教徒が精製して作った九華丹(九転仙丹=飲めば仙人になるといわれた薬)のように作り上げたため、「九転大腸」と名付けられました。色は赤くツヤがあり、口に入れると最初は甘酸っぱく感じ、その後にさまざまな味が次第に広がります。外側はパリッとして内側は柔らかく、味わえば味わうほど美味しさが分かる、技量を尽くした料理です。

四川料理のレストランで料理を注文する場合、多くの人が必ず「宮保鶏丁(=鶏肉とナッツの炒めもの)」を注文しますが、「宮保鶏丁」は実際には山東省濟南から生まれたものです。しかも、創案者は清朝で山東省を司った長官・丁宝楨の家の料理人で、当初は簡単な鶏肉炒めでしたが、丁宝楨が皇帝から「太子太保」の称号―略称「宮保」を賜ったため、これに伴ってこの鶏肉炒めも昇級し、「宮保鶏丁」となりました。

濟南を訪れた際に必ず食べて頂きたいのは、濟南の近くを流れる黄河の鯉です。濟南で広く食べられた糖醋鯉魚(=鯉の甘酢あんかけ)は、色つやの濃い甘酸っぱいたれが食欲を大いにそそります。鯉の外側は油で揚げられてサクサクしており、餡をいっぱい吸い込んでも依然として口当たり軽やかです。肉厚な魚は新鮮で柔らかく、餡につけて食べれば、さわやかで美味しい魚と甘酸っぱい濃厚な味が口の中で完全に融合します。

濟南は「泉城(=泉水が多いためにこの名が付けられた。濟南の別称)」であるだけでなく、北方料理系を代表する重要都市です。ですので、濟南を観光する場合は、必ず豪勢な食事を楽しんでみてください。そうすることで初めて濟南を十分に満喫できたといえるでしょう。