山東省の観光~中華文化に名を残す山東省を巡る~

王義之と諸葛亮の栄光の 臨沂城

书圣碑前思右军 洗砚池畔笔墨多
(=書家・王義之を思う 洗硯池を見る)

書聖・王義之は、晋代の有名な書家で、「右軍将軍」を務めたことから、世間では「王右軍」とも呼ばれています。中国人がよく口にする「東床快婿(=東の床のすばらしい婿の意味で、娘婿の別称として使われる言葉)」についても、婿選びの噂を聞いて多くの人が緊張する中で、一人だけ着物の前をはだけて腹を出したまま東の寝床で楽しそうに寝転がっている王義之の落ち着いた様子が、未来の岳父の眼鏡にかなったことから、「東床快婿」となったのです。王義之の神業のようなすばらしい行書や草書は広く世に知られています。最も広く人々に賞賛された手書きの「蘭亭序」は51歳の時のもので、文章がすばらしいだけでなく、文字も漂う雲や流れる水のように自然でスムーズで、書道の中の最高峰とされ、後世の人々からも絶賛された、「書聖」の名に恥じない作品です。義之の子・献之もまた書家として名を成し、後世に伝えられています。

書聖の故郷―臨沂を訪れた際には、必ず王義之の旧居を訪れるべきです。面積約5.33ヘクタールにも及ぶ旧居には、洗硯池や晒書台、琅琊書院、碑廊だけでなく、後に建造された普照寺や王右軍祠、五賢祠、左公祠などの観光スポットがあります。この中では、霧と柳に覆われた洗硯池が最も人気があります。書聖が毎日苦しい練習をつみ、硯を洗って池の美しい水を真っ黒にしてしまったと聞いて感動しない人はいません。人々は、自分も書聖の行った苦しい修行に対する気概を学び、長い間手を付けてこなかった学習への興味を再び呼び覚まし、今後さらに一生懸命続けるべきかどうかを自身に問いただします。伝説によると、洗硯池のカエルは鳴きません。その原因は、書聖がかつて、「字を練習しなければならないので二度と鳴くな」ととがめたからです。その後、洗硯池のカエルは鳴かなくなりました。もし書聖の洗硯池を訪れる機会があれば、この伝説が嘘か本当か耳をそばだてて聞いてみるとよいでしょう。書道が好きな方は、洗硯池の西側の碑廊を見逃してはなりません。当代有名書家の石刻が陳列してあり、視野を大きく広げることができます。

书圣碑前思右军 洗砚池畔笔墨多
(=三顧の礼で英雄に時を与える 献身的な努力をしても事の成就は難しいもの)

「三国」は、日本でも「三国志」として、近年コンピューターゲームの題材として大きく取り上げられ、大人気です。「三国」をテーマとした漫画、アニメも若い世代に幅広く受け入れられ、「三国」が若者の間でブームになっています。さらに近年、国際的な大監督・呉宇森が、梁朝偉、金城武、リン・チーリン、趙薇、胡軍、張震などの一流スターを招いて「赤壁(=日本の題名は「レッドクリフ」)」を撮影し、再び「三国ブーム」が盛り上がりました。すばらしい容姿を備えながら十分な個性を持った金城武を主役として諸葛亮を演じさせたことは、人々に絶賛され、金城武の演技もまた人々に更なる期待を抱かせました。

臨沂市の沂南県は、漢末の琅琊・陽都一帯のことで、史上最も智謀を備えた宰相―諸葛亮の故郷です。諸葛亮の故郷を訪れたら、必ず沂南県磚埠鎮諸葛村の諸葛亮故里記念館や西山諸葛亮公園の中の気宇軒昂の銅像を訪問すべきです。ここをたずねる人々は、沂南の山、水、大地という美しい自然の中をゆったりと歩き、非凡な智謀を備えた諸葛亮が、ここで如何に苦労して学び、推断して演繹し、ゆったりと横になって過ごした時間を感じることができます。

臨沂の有名人は、王義之や諸葛亮だけでなく、五賢祠の中に祭られている「臥氷求鯉(=王祥が冬に継母のために鯉を捕まえた話。後に孝養の道の古典的な物語となった)」の孝行者・王祥や王覧、さらに大書家・顔真卿や顔杲卿などの有名な賢者がいます。また、数学で時代を導いた算聖・劉洪もおり、臨沂のすばらしい山や水が、傑出した奇才を確実に育んできたことが十分に証明できます。