山東省の特産品~歴史と伝統にふれる旅~

濰坊へ往来して風俗習慣を楽しむ

山東省の郷土手工芸品には大きな特色があります。子供のおもちゃや新年向けの飾り物だけでなく、女性の暇つぶしの巧手剪紙(=切り紙細工)、さらに子供からお年寄りまで皆が楽しめる凧の玩具があります。これらの郷土色に満ちた精巧な工芸品は、ほとんどすべてが濰坊一帯に集中しています。このうち、濰坊は凧、木版年画(=旧正月に室内に貼る吉祥やめでたい気分を表す絵)と布製のトラのおもちゃが最も有名です。隣接する高密は撲灰年画(=炭を使って下絵を書き、作成した年画)や切り紙細工、粘土で造ったおもちゃが有名です。

楊家埠民間芸術大観園

極めて高い技量によって作られたこれらの工芸品は、各地の村・田舎町の部落に散在しているため、海外からの観光客が1つ1つ見たいと思っても、恐らく交通機関による往復だけでもスケジュール上難しいでしょう。そのため、「楊家埠民間芸術大観園」が出現し、観光客が一度に濰坊周辺の郷土工芸品を見ることができる場所となりました。見るだけでも面白く、さらに現場で購入もできるため、遥か遠くの村にまで行って手に入れる必要がなくなりました。

見れば見るほど趣がある年画、凧と切り紙細工!

園内の展示には、濰坊の最も得意とする凧があります。骨組みは頑丈に作ってあり、上面に貼ってあるのはすべて絹織物で、しかもミョウバンに漬けた特殊処理によって、品質がより堅牢になっています。絵師は、キャンバスのように硬くなった絹織物の上に、華麗で生き生きとした伝統的な図案を描きます。その絵は5年間完全な状態を保つことができます。貼り付けが完了した凧は、さらに飛行テストを経なければならず、構造がバランスよく、風に乗ることができることを確認した後、初めて販売されます。このように緻密な生産過程のため、ベテランの職人が2日かけてやっと1個の凧を作ることができます。もはや芸術の領域ですね。

園内のもう1つの大きな特色は、楊家埠の木版年画です。楊家埠の木版年画は、明代に創作が始まり、清代で繁栄した天津の楊柳青や蘇州の桃花塢と共に有名な年画です。毎年冬になると、楊家埠は忙しくなり始めます。年画はすべて木版で重ね刷りするため、穏やかな色と自然や構図が複雑な生き生きとした年画を1枚印刷するためには、製作に時間がかかるだけでなく、重ね刷りの技術が極めて精緻なため、失敗が許されません。ただし、これが楊家埠の年画技術に特有の優れた点でもあります。もしも、楊家埠の年画を購入したいと思っているのでしたら、現地で最も得意とする神話故事、神々の像、美人、子供をテーマとしたものを選び、新年を迎える際に家庭内に伝統的な新年の趣を添えてはいかがでしょうか。

ここの切り紙細工は下書きを描かず、模様を敷いて写しもせず、すべて女性の器用なはさみさばきだけに頼っています。はさみで各種の巧妙な図案を自由に切り出し、その生き生きとした様子は格別で、全く同じものを探し出すことは非常に困難です。高密剪紙(=山東省濰坊市高密市の切り紙細工の名称)は、女性が農業の閑散期に新年を迎えるために準備したものなので、すべてが赤い色の色紙で作られており、新年を迎える賑やかさと吉祥の雰囲気を保っています。

楊家埠民間芸術大観園の中の民間芸術は、切り紙細工や年画、凧だけでなく、さらにアコーディオンのように押すと音を出す高密市の粘土で造った獅子や濰坊の各種のかわいい布のおもちゃ ― トラ、ロバなど、いずれも観光客が片時も手放そうとしない人気商品で、全部持って帰りたいと思ってしまう記念品です!